令和七年十二月号

噛む力が健康を支える ― 歯みがきの大切さ ―

歯磨きはなぜ大切なのか

歯磨きは、虫歯や歯周病、口臭を防ぎ、口内を清潔に保つために行います。

では、虫歯や歯周病になると、どのような問題が起きるのでしょうか。

虫歯や歯周病が進行すると、歯や歯ぐきに痛みが生じ、最悪の場合は歯を失うことがあります。

歯を失うと噛む力が弱まり、食べ物を細かく噛み砕くことが難しくなります。

よく噛むことは、唾液の分泌を促し、食べ物の消化や栄養吸収を助ける大切な働きがあります。

栄養の吸収状態は、健康状態や寿命にも影響を与えるといわれています。


実際に、厚生労働省が紹介している研究では、80歳以上の高齢者において「噛むことができる歯の本数」が、

その後15年間の生存率に影響を与えることが示されています。(※1)

この研究では、80歳以上の高齢者を「歯が10本以上あるグループ」と「10本未満のグループ」に分け、15年後の生存率を比較しました。

その結果、男性では10本以上のグループが54%、10本未満のグループが25%、女性では10本以上のグループが66%、10本未満のグループが42%と報告されています。

このことから、噛める歯の本数を保つことが、栄養の吸収を助け、健康寿命を延ばすうえで重要であることが分かります。



効果的な歯磨き うがいを控えめに

厚生労働省では、虫歯を予防するためにフッ化物(フッ素)を配合した歯磨き剤の使用を推奨しています。

また、フッ化物の効果をより引き出すための適切な使い方についても、具体的に示しています。


●効果的な使用方法
1日2回以上、フッ化物配合歯磨き剤で歯みがきをする
歯磨き後は歯磨き粉を軽く吐き出す
うがいをする場合は、少量の水で1回のみ

歯みがきの後に、勢いよく何度も口をすすいでしまうと、虫歯を予防する成分であるフッ素が、口の中から流れ落ちてしまいます。
そのため、フッ素をどれだけ口の中に残せるかが、虫歯予防の効果に大きく影響します。

特に就寝前の歯みがきは、虫歯予防にとても効果的です。
私たちは眠っている間、唾液の分泌量が減ります。
唾液は口の中を洗い流す役割を持っているため、分泌が少なくなる夜は、虫歯が進行しやすい時間帯でもあります。
そのため、寝る前にフッ素入りの歯みがき粉で歯を磨き、うがいは少量の水で1回だけにすることで、フッ素が歯にとどまりやすくなり、虫歯を防ぐ効果がより高まります。

さいごに

歯みがきは、ほんの数分で終わる小さな習慣です。

しかし、その積み重ねが、将来の健康を大きく左右します。

歯を失うと、「硬いものが噛めない」だけではありません。

食事の楽しみが減ったり、外出や人との会話が消極的になったり、生活の質そのものに影響が広がることがあります。

反対に、歯が健康であれば、好きなものをしっかり噛んで食べられ、笑顔で人と話すことができ、心身ともに豊かな毎日を過ごすことができます。

今は「まだ大丈夫」と感じていても、歯や歯ぐきはゆっくり変化します。

だからこそ、痛みが出てからではなく「日々のケア」で守ることが大切です。

効果的な歯磨きを習慣化し、健康な体、将来の生活の質を大切にしていきましょう。


参考:口から始める生活習慣予防

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000124753.pdf


※1 出典:「Fukai K, Takiguchi T, Ando Y, Aoyama H, Miyakawa Y, Ito G, Inoue M,Sasaki H. Functional tooth number and 15-year mortality in a cohort of community-residing older people. Geriatr Gerontol Int.2007;7:341-347. 」




News to read for a change

Honolulu Marathon ホノルルマラソン

①ホノルルマラソンとは?

ハワイ州ホノルルで毎年12月に開催される「ホノルルマラソン」は、世界中から多くのランナーが参加する国際的な市民マラソン大会です。
日本人ランナーの参加がとても多いことでも知られており、初めてフルマラソンに挑戦する人が多い大会としても有名です。
1973年にわずか162名でスタートした大会は、2024年では 参加者3万人規模 のイベントへと成長し、年齢や国籍を問わず楽しめる“お祭り”のような雰囲気が魅力です。

②ホノルルマラソンの特徴
ホノルルマラソンが初心者に人気の理由は、制限時間が設けられていないことです。
「走りきれるか不安…」という人も、歩いたり、景色を楽しんだりしながら、自分のペースでゴールを目指すことができます。
気持ちよい海風、朝日に染まるダイヤモンドヘッド、青い海—
“走る” というより “旅をする” マラソンとも言われています。

③スタートは真っ暗な午前5時
スタート時には夜空に花火が打ち上がり、ランナーの士気を高めます。
道中では地元の人々が音楽や声援で応援してくれるなど、地元とランナーの一体感を感じられる雰囲気が魅力です。
コースは、アラモアナ公園 → ワイキキ → ダイヤモンドヘッド → ハワイカイ → カピオラニ公園、全長42.195kmのルートです。

④最後に
新しいことに挑戦したい方、運動習慣をつけたい方、達成感のある目標を持ちたいと考えている方にとっては、ひとつの良い選択肢となるかもしれません。
旅行と合わせて計画できるため、思い出にも残りやすい大会です。
来年度以降のマラソン大会参加や、健康づくりの目標設定として、ホノルルマラソンを検討してみてはいかがでしょうか。
ゆっくりでも、一歩ずつ前に進むことで得られる達成感は、きっと大きなものになります。




令和七年十二月号
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